画像例とスペクトル

 

画像を空間周波数領域で表現すると,スペクトルの観点からその画像の特徴を知ることができます。下の図に画像例とそのスペクトルを示します。図上側の2つのウィンドウには,植物(左)と外壁の窓(右)が表示されています。下側の2つのウィンドウはそれぞれの(振幅)スペクトルを示したもので,画像がどのような周波数成分から構成されているかを示しています。図の中央部は周波数が低く,中央から離れるほど高くなります。図中の白い点は,その周波数成分が含まれていることを意味しており,成分が多く含まれるほど,より白く表示されます。逆に,その周波数成分が画像にはほとんど含まれない場合はより黒く表示されます。

植物の図ではたくさんの葉が絡み合った複雑な画像となっているため,スペクトルでは中心部から離れたところにも白い点が存在し,高い周波数成分を含んだ画像であることを意味しています。一方,外壁の窓の図では,白い点は中心部に集中する傾向があり,植物の画像に比べると低い周波数成分を多く含む画像であることを意味しています。すなわち,緻密な画像は周波数的に見ると高い周波数成分に対応し,おおまかな画像は低い周波数に対応することになります。